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春の旅 1日め

4月1日。先月JR延伸化で新しくできたばかりの始発駅から、早朝5時、始発列車に乗って出発。えんえんとえんえんと青春18きっぷの旅。

山口県の端から端まで行くのがけっこうだるい。徳山では列車が到着したとき「1年生になったら」の曲が流れて、息子が言うには、まどみちおさんが生まれたところだかららしい。

お昼過ぎに九州に入ったのかな。私の頭のなかでは、門司も北九州も博多も同じところにひとまとめにあったんだけど、それぞれ違う場所にあるんですね。

電車の窓からスペースワールドが見えた。息子は小学校の修学旅行でここに来たらしい。

電車の乗り換えの度、息子は、乗ってきた電車、これから乗る電車、すれ違う特急列車、その他いろいろ、写真や動画を撮ったり、警笛の音や車内放送を録音したり、とても忙しそうで楽しそう。電車のなかで何もすることがないときは、いっしんに時刻表を読んでいる。

(あとで写真を見てみたら、息子のカメラはみごとに電車ばかりで、これではどこへ旅行したのかさっぱりわかんないだろうと私は思うんだけど、彼はこれで全部わかるのらしい。くまモンの模様の電車はさすがに熊本だろうと、それくらいは私もわかるけど)

春の九州の旅だから、桜満開花吹雪、1日じゅう鈍行列車にゆられても、それなりに楽しいだろうと思っていたんだけど、桜さっぱり咲いていない。

でも菜の花がすばらしかった。線路沿いにずっと、菜の花の群落がつづく。天気もいいし。そして、列車の内装がいい。鈍行とは思えないほどデザインがいい。窓が広くて、座席が楽。息子が言うには、九州の列車は、水戸岡氏というすばらしい工業デザイナーが手掛けたのだそうだ。

山陽本線の鈍行列車で、すっかりくたびれたのが、九州に入ると、新鮮な気持ちになった。座席が楽で、長い時間すわっていても、ストレスを感じないのがありがたい。

そうこうするうちに熊本を過ぎた。こんな遠くまで来れてしまうんだなあと、不思議な感じだ。

八代から人吉へ向かう列車で、隣に中国人の若者ふたり座った。北京から来たらしい。大学を卒業して2年。ふたりは大学のときにルームメイトだったんだって。ひとりは故郷が蘇州の近くなんだって。休暇で遊びに来て、明日は南九州のほうへ行くんだって。それくらいのことは、私の英語でも何とかやりとりできるんでした。

この列車のシートは、昔、新幹線で使っていたシートだから乗り心地がいいということ、それから、もうすこししたらSL人吉号とすれ違うということ、を息子は伝えたい。

なんか、伝わっていたよ。男の子たち3人、SLを撮ろうと席を立ち、でもあんまりよく見れなかったみたいだけどね。

渓谷沿いの、いい景色だった。

人吉で、若者たちと別れ、くま川鉄道の観光列車、田園シンフォニーに乗る。田園がひろがって、線路沿いに菜の花咲いて、ひろい明るい空間のなかを、ずっと向こうまで線路がつづく。湯前まで行って、また人吉に引き返す頃は、夕焼けで、菜の花に西日がさして、まぶしい、なつかしい。運転席あたりに興味津々の息子に、運転手さんがやさしかった。

ママと一緒だと安いコンビニ弁当しか食べさせてもらえないと訴えて、パパから弁当代をもらってきた息子は、人吉の駅で、鮎寿司弁当を買った。私はその半額ぐらいの普通の弁当。

ホテルは6畳一間で、風呂トイレ共用。昭和の貧しい下宿ふう。それなりにくつろいで、弁当食べる。鮎寿司はわさびたっぷりで、かわいそうに息子はあんまり食べられない。私がおいしくいただきましたっと。