読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

エコツアー

3日目は東京都認定のガイドさんが同行でないと入れない石門(せきもん)というコースのトレッキング。所要時間が7時間とあり、中級者以上とあったので当初は初級者用の小富士コースをお願いしていたのですが、そちらはガイド同行でなくても行けると分かったのと、この日の申込者が私しかいなかったのでペースを合わせてもらえるだろうと思い、思い切ってコース変更。

「去年までは最高年齢が70代だったんですが、今年80歳の方をご案内しました」

というガイドさん。結果的には息切れする事もなく、楽しくお喋りしながらずっと歩くことが出来ました。登山じゃないからね。中級者以上というのは、道無き道を植物を掻き分けて進まなければいけないからとのこと。確かに足下は木の根や枯葉で躓き易く滑り易いです。でもそんな獣道を掻き分けた先にあるのが旧日本軍のトーチカだったり塹壕だったりするので何とも胸が詰まされます。

コースに入るにあたり運動シューズはNGと言われ、このコースの為に私は小笠原にトレッキングシューズで来ました。入山前に外来種の持ち込みをしないよう、酢で靴底を消毒しブラシで土を落としコロコロで衣服についた埃を取らねばなりません。そこまで徹底的にしても、規制前に持ち込まれた外来種が森を侵食しています。それはアカギの樹であったり、グリーンアノールというトカゲだったり、アフリカマイマイというカタツムリだったり。勿論駆除する為の努力は行なっているのですが、ジャングルに入ったトカゲを全滅させるなんて気の遠くなるような話で。足元に落ちている緑の葉はネズミに齧られたものだとか。外来種込みで既に食物連鎖が出来上がっているので、その一部を操作したらもっとややこしいことになりそう。かと言って放っておいてら固有種がどんどん食われるのでこれまた宜しくない。むー、どうしたもんじゃろのう、、、。

コースを歩いているとさまざまなポイントから海が見下ろせるのですが、標高400メートル程の山の上から海を見下ろしてウミガメが泳いでいるのが見えたのには驚きました。「あ、ウミガメ」とガイドさんがフツーに言ったのに対して「ウソでしょ見えるの」と疑いから入ったくらい。見下ろしたらホントにウミガメが泳いでいるのが分かってビックリ。慌てて双眼鏡で覗き込みました。天然記念物でやはり固有種のハハジマメグロが目の前まで来たり、ノズリが海の上でホバリングしてたり。昨日のセルフトレッキングはなにが何やらわからないジャングルをひたすら歩いただけでしたが、やはりガイドさんが一緒だと細かい説明が付いて楽しさ2倍にばーい。

このガイドさんが30年ほど前、畜産の研修の為、八重山にある新城島の上地の方におられたと聞いてビックリ。新城島(パナリ)は上地と下地の2つの島を合わせた呼称なのですが定期航路はなく、数年前まで島には住民のおじぃとおばぁが経営している民宿だけがあり、宣伝もなく連絡先も泊まった人から教えてもらうだけという謎の宿だったのです。私は数年前に10年越しに願いが叶って泊まることが出来たのですが、それでも上地は立ち入りが禁止されており唯一八重山で行ったことのない島です。

「パナリの上地に行った事のある方に初めてお目にかかりました!」

「三食とタバコと泡盛が付いてて1日1,500円とかいうあり得ない日給でしたよ」

えーやん。自販機1つない島で食事とタバコと酒が付いてたら、他にお金使う場所ないし。

そんな共通の話題もあり、楽しいトレッキング時間を過ごしました。

夕方、港で下ろしてもらいお散歩をしながら宿に帰ることに。ウミガメの産卵用の浜辺の前の海にはゲートがあり亀をそこに入れておくのですが、今年はまだ数が少ないとのこと。代わりに(?)自主的に入って来たネムリブカという種類のサメがわさわさと泳いでいました。臭くて食べれないそうです。島の子供達はネムリブカの赤ちゃん程度なら尻尾を捕まえて振り回して遊ぶんだとか。そんな東京都民、聞いたことねぇ。

こうして1日を過ごしました。

写真1 外来種グリーンアノール。ビロードみたいな肌触り。もっとぬめっとしてるかと思った

写真2 コースからボニンブルーと言われる海を見下ろす。標高400メートルくらい。この高さからウミガメが判別できた。白いのは島から流れ出る石灰岩

写真3 港にいたネムリブカ