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原田マハの「暗幕のゲルニカ」

原田マハは、アンリ・ルソーを描いた「楽園のカンヴァス」以降、美術小説というべき作品を発表してきています。ニューヨークの近代美術館でキュレーターとして勤務した経験を生かして書かれた美術を中心にした作品はとても魅力的です。

このところ毎晩すこしづつ楽しみながら読んできたのが、「暗幕のゲルニカ」です。スペイン内戦の時代に、反乱軍のフランコ総統がナチスに応援を頼み、共和国側を攻撃していった時代に、バスク地方の小さな村、ゲルニカにドイツ軍が無差別爆撃を行いました。それに抗議して、パリにいたピカソが描いたのが、問題作の「ゲルニカ」です。

マドリードのレイナ・ソフィア妃のミュージアムで、ゲルニカを観たときのことを思い出しました。モノトーンで描かれた大作は、今でも、強いメッセージを放つ存在感がありました

小説は、ゲルニカが描かれた1937年のパリ、そして、2001年のニューヨークの近代美術館という2つの旋律がポリフォニーのように重層的に進んで行きます。

この小説は、ピカソと戦争というテーマで、なかなか充実したドラマになっていました。今度ニューヨークに行ったら、また近代美術館(MoMA)に行きたくなります。